意外と知らない“フケ”の正体|成分・分類など頭皮やフケのこと
「フケって、結局何なんだろう?」
毎日シャンプーしても白い粉のようなものが出てきたり、肩に落ちたりすると、なんとなく不安になりますよね。
「汚いと思われるのが怖い」「どんな状態が普通?」──そんな疑問を持つのはごく自然なことです。
この記事では、フケの成分・種類・顕微鏡で見た実態・菌との関係をやさしく解説します。
ただの「見た目の問題」ではなく、体の内側からのサインとしてのフケを、正しく理解していきましょう。

フケとは何か?医療用語で言うとどうなる?
「フケ」とは、頭皮から自然に剥がれ落ちる角質細胞の集まりです。
皮膚の一番外側(表皮の角質層)は、常に新しい細胞が下から押し上げてくることで、古い細胞が剥がれ落ちる“ターンオーバー”が起きています。
この現象は誰の体にも起こる、ごく自然な代謝活動です。
医学的にはフケは次のように表現されます:
- 頭垢(とうこう):頭部に溜まる垢のこと。日常的な表現の一つ。
- 鱗屑(りんせつ):皮膚から剥がれた角質のかけら。乾癬(かんせん)や脂漏性皮膚炎などの症状の一部として見られることが多い。
- 乾性鱗屑/脂性鱗屑:乾燥しているか、皮脂を含むかによる分類。
皮膚科では「脂漏性皮膚炎に伴う鱗屑」や「乾性頭皮炎」など、皮膚疾患の一部としてフケが記録されるケースもあります。
ただし、フケ=必ず病気というわけではなく、正常な新陳代謝によるものも多いです。
また、漢字での表記には「膚気」「頭屑」「頭皮垢」などもありますが、現代ではほとんどが「ふけ」と平仮名で表されます。
フケは皮膚の“自然な生まれ変わり”の証。医療の現場でも「異常」ではなく「状態」として捉えられることが多いです。

フケの成分って何でできているの?
フケの主な正体は、「角質細胞(ケラチン)」と呼ばれるタンパク質です。
これは皮膚の一番外側にある細胞で、肌のバリア機能を担っていたもの。役目を終えると自然にはがれ落ちていきます。フケは、まさにこの“役目を終えた角質細胞”が集まったものなのです。
通常の皮膚でも毎日少しずつ剥がれていますが、頭皮の代謝(ターンオーバー)が乱れたり、皮膚の乾燥や皮脂バランスが崩れたりすることで、フケが目立つようになります。
さらに、フケには次のようなものが混ざることで、その状態や質感が変化します。
- 皮脂
これは頭皮から分泌される油分で、髪や肌を守る役割がありますが、分泌が過剰になるとフケにベタつきを与え、脂性タイプのフケに変化します。 - 汗や水分
これらは乾燥しやすい環境やエアコンの影響で蒸発しやすく、頭皮の表面をさらに乾燥させる原因になります。結果として、乾燥フケが増えていくのです。 - 雑菌の死骸や老廃物
頭皮には「マラセチア菌」などの常在菌が存在していますが、皮脂が多すぎるとこれらが増殖し、その代謝産物がフケと一緒に落ちることがあります。 - ホコリや花粉、スタイリング剤の残り
これらは頭皮に残っているうちにフケと混ざり、質感やにおいに影響することも。
さらに重度のケースでは、頭皮に傷がついたり、炎症が起きたりすることで、血液や透明なリンパ液(浸出液)が混じることもあります。これが固まって、かさぶたのような大きなフケとして現れる場合もあるのです。
フケの種類と分類|乾燥タイプと脂性タイプの違い
フケは大きく以下の2タイプに分けられます。
◉ 乾燥フケ(白くてパラパラ)
- 主な原因:乾燥、洗いすぎ、摩擦、冬の気候
- 特徴:細かく軽い、肩や服に落ちやすい
- タイプ:敏感肌の人や女性に多く見られる
◉ 脂性フケ(黄色っぽくベタつく)
- 主な原因:皮脂の過剰分泌、菌の繁殖、シャンプー残り
- 特徴:湿っていて重く、頭皮に張りつくことも
- タイプ:思春期以降の男性に多い傾向
また、大きくはがれるような「かさぶた状」のフケや、傷やかゆみを伴う重度のケースもあります。
フケの種類を見極めることが、適切なケアの第一歩です。
顕微鏡で見るフケの世界
肉眼ではただの「白い粉」にしか見えないフケ。しかし顕微鏡やマイクロスコープで見ると、驚くほど多様な構造や状態が存在します。
- 乾燥フケ:うすい一枚皮のような形状、角質の重なりが少ない
- 脂性フケ:層のように重なっていて、皮脂とともに固まっている
- ダメージがある頭皮では、赤み・傷・菌の増殖なども確認されることがある
最近では、家庭用マイクロスコープを使って頭皮や毛穴の状態をチェックできる製品も登場しており、セルフチェックの意識も高まっています。

菌との関係|フケと常在菌・マラセチア菌の関係性
フケが出ると「汚れているのでは?」と思いがちですが、実は頭皮にも常在菌がいて、それ自体は悪者ではありません。
代表的なのが「マラセチア菌」という脂をエサにするカビの一種。
この菌は誰の頭皮にも存在しており、通常は皮脂と共生しながらバランスを保っています。
ところが、
- シャンプーのしすぎで皮膚バリアが弱る
- 皮脂の分泌が増えて菌が増殖する
- 湿度が高くなって菌が活性化する
こういった要因が重なると、菌が過剰に増えて炎症が起き、脂性フケの原因になることがあります。大切なのは、「菌を完全になくす」ことではなく、過剰にならないようにコントロールすることです。
まとめ|フケは“汚れ”じゃない。だからこそ、正しく知ることが対策の第一歩
フケは私たちの体が「生きている証」であり、代謝によって自然に生まれるもの。
見た目で「汚い」「恥ずかしい」と思ってしまうのは、人の目があるからですが、それは誤解です。
- フケの正体は、角質と皮脂と汗などの混合物
- 種類によって原因や対策が異なる
- 菌との共生バランスも大切
こうして理解を深めることで、あなたは「なんとなくの不安」から一歩抜け出すことができます。
まずは“敵”と思っていたフケを知ること。それが、正しいケアのスタートラインです。
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